お〇ん〇んの話~語源に関する考察~

こんばんは!Mayutaです。

本日のタイトル、このワードでテンションが上がってしまったのは小学生以来でしょうか。笑

ネタがネタだけに、久々の投稿のトピックこれでいいのか…と、迷ったのですが、大真面目に書いてしまいたいと思います。途中から伏字でもなくなるかもしれません(そもそも伏せた方が如何わしい気もしますが…笑)。

さて、何故突然こんな話題になったかというと、ベトナム語のある単語に、幼児言葉の「おちんちん」の意味があるということを知り、それに付随して他の言語でも確かにその考え方がある、と気づいたからです。

さて、そのワードとは…

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そう、「」です。

考察1:「おちんちん」と「鳥」の不思議な関係

「鳥」はベトナム語で「chim(チム)」といいますが、ベトナム語-ベトナム語辞典においても、次のような定義がなされています。

chim : …Dương vật của trẻ con…

(…男の子の陰茎…)

さて、これだけでテンションが上がっていたら、「30過ぎのいいおっさんが何考えてるんだ」と思われてしまうこと間違いないのですが、本題はここからです。

実は、中国語においても、俗語として「鸟(niǎo)」に同様の意味が付与されています。余談ですが、中国に暮らしていた際、知り合いに「大鳥さん」という日本人の方がいらして、中国人のおっさんたちは大喜びで「大鸟!!!!」と叫んで同氏を呼んでいたそうです。どの国でも男性はいくつになっても少年心を忘れないのでしょうね。笑

ここで、もしやと思ってインドネシア語で「鳥」にあたる言葉である「burung」という単語をKBBI(Kamus Besar Basaha Indonesia)で引いてみました↓

bu.rung

  1. binatang berkaki dua, bersayap dan berbulu, dan biasanya dapat terbang; unggas
  2. sebutan jenis unggas (biasanya yang dapat terbang)
  3. n cak kemaluan laki-laki ←(男の子の恥ずかしいところ

…い、いた!笑

この時点で、アジアの言語において、「鳥」が俗語として「おちんちん」を意味することがある、というのが事実として分かりました。

さて、これは何故なのでしょうか。

一番わかり易そうな中国語の「鸟」から調べてみたところ、次のような記載が見つかりました(Wictionary中国語版)。

〉 同“屌”。雄性生殖器。

明·馮夢龍《古今譚概‧容悅‧洗鳥》:“大學士萬安老而陰瘺,徽人倪進賢以藥劑湯洗之,得為庶吉士,授御史。時人目為洗鳥御史。”

どうやら、“屌(diǎo)”という単語があり、それが元々「男性器」の意味を持つ単語で、その音が転じて「鸟(niǎo)」という発音で用いられるようになった、ということのようです。

こうした変化は現代の言語においてもよく見られる現象(特に、ネットスラング)なので、さほど違和感はないかと思います。直接言うのは洒落ていない、ということで、ちょっと捻った言い方が流行る、ということだと思います。

ちなみに、“屌(diǎo)”自体も現在の中国語では「すごい」の意味にあたる「厉害(lìhài)」と同じ意味で用いられているようです(「厉害」も元々は違う意味だったと思いますが(無限ループ…))。

一方で、何故“屌(diǎo)”が「男性器」の意味で用いられるようになったのは何故なのか、ということについては、ひょっとしたら「吊(diào)」が関係しているのではないかなぁと推察します。日本語の「吊るす」と同じで、要は「ぶら下がっているもの」という意味かなぁ、と…←バカっぽく見えたとしても、素直な発想は今後も大切にしたい。笑

上記の情報によると、遅くとも中国の明の時代には、既に「鸟」=「おちんちん」というリンクがなされていたことが分かりました。

ちょっと横道にそれますが、出典とされている「古今譚概」は明代に編纂された「笑話大全集」ということのようです。この作品自体もなかなか面白そうですが…笑

この作品の中に「容悦」という章があり、その中のお話の一つが「洗鸟御史」というタイトルのようです。内容についての簡易訳です(官職の正式名称は正しく調べきれませんでした)↓

大学士(かなり高い官位のようです)の職についていた萬安が、老いてあっちの方も衰えてしまっていたところ、倪進賢という人物がこれを特別な薬を溶かしたお湯で洗ったところ、庶吉士(エリート候補生みたいな地位のようです)となり、御史(同じく官職名)を授かったという。このことから、当時の世の人から「洗○○御史」と呼ばれた。

…軽く悪口ですね。笑 これが理由で出世したわけではないでしょうけど、人間というのはいつの時代も酷い。笑 ちなみに、萬安も倪進賢もしっかり情報が残っている人物でした。

ここで、「鳥」=「おちんちん」となったことについての仮説としては、次の3つのケースが考えられます。

(1)「おちんちん=鳥」中国発祥仮説

(2)「おちんちん=鳥」同時多発的発生仮説

(3)「おちんちん=鳥」他言語源泉仮説

(1)に関しては、遅くとも中国の明の時代に、「鸟」が俗語の意味を持ち始め、その後各国に伝播した、という考え方になります。ベトナムに関して言えば、良くも悪くも中国とは長い歴史の中で近しい関係にあった国といえますので、ベトナム語の「chim」にも同様の意味が付与された、と考えることはできそうです。

一方で、インドネシア語への伝播については、いまいち関係性が想像しにくいので、後述のとおり、アジアにおける他の言語での調査が必要になりそうです。

(2)に関しては、「おちんちんといえば鳥っしょ!」という発想を、各国の国民またはその言語を使用する民族が同時に持っている、ということが前提条件になります。例えば、形状が似ている、とか、そういった発想が生まれることが必要になります。

今回不覚にも「おちんちん」「鳥」というワードをググってしまったことで知ったのですが、鳥というのは大部分の種類の雄が、目立った形での生殖器を持たないそうです。「持たない」ということが逆に代名詞的な使い方をされた候補になるかもしれません。

この発想ですが、日本の神社などにおいて、「縁結びの神様」とか「健康にご利益のある神様」というのをよく耳にすると思いますが、このように祭られている神様たちは、実は生前(という言い方が正しいのか不確かですが)、男女の仲に縁がなかったり、全く健康でなかったり、更にはそれらに関連して不遇の人生を歩んだ人物だった、ということが言われているそうです。生前に不遇だったが故に、その不遇故に怨念となることを恐れる人物がいて、そういう人たちが「縁結びの神様」とか「健康の神様」として祭ることで、祟りが起きることを避ける意味合いがあった、というようなことが言われているようです。

上記についてはあくまで「日本人」の発想ですし、他の民族に必ず当てはまるものではないでしょう。

一方で、中国語においては、「鳥」と「おちんちん」のイメージの重なりや連想によるものではなく、何なる音の変化に起因している可能性が強そうなので、それをもってしても、この仮説は少し無理があるかなぁと思います。

(3)に関しては、もう少し対象となる言語サンプルを増やさねばならず、今の時点では全く分かりませんが、今後新しいアジアの言語を学ぶ際には、必ず辞書で「鳥」は検索してみるようにしたいと思います。

考察2:「おちんちん」はどこから

日本語でそもそもなんで「おちんちん」というのでしょうか。これには諸説あり、仏教の「珍宝」から来たとか、「血の棒」が転じたとか、ルーツは不確かです。

冒頭で、ベトナム語の「鳥」はchim(チム)とご紹介しましたが、実はこの「chim(チム)」という音も、今回このテーマが気になった要因の一つでした。「チン」と「チム」はかなり音が似ています。

一方で、日本語では「ちん」という音と「鳥」が結びついている事例があるのかどうかも不明ですので、考察1でのリンクルールからは外れてしまっていることから、単なる偶然である可能性がかなり高いとは思っています。

また、過去にも何度か「ベトナム語と日本語の音が似ている」ことについて書いていますが、そのほとんどが「漢字」を共通点としたつながりと考えて間違いないと思います。

従って、偶然かどうかを証明するための調査としては、以下の2方向でトライできそうです。

(1)「鳥」ないし「鳥」に関連する漢字の読み方で、「chim/chin」に近いものが歴史的に存在したかどうかを調べる

(2)ベトナム語のchimの語源が漢字由来ではなく、ベトナムの民族固有のものであることを調べる

(1)については、「鳥」を「ちょう」と読むことから、歴史的に「ch」音が存在したことは間違いないかと思います。そうであれば、共通の漢字を輸入し、その音が時代を越えてそれぞれの国で形を少し変えて現存している、ということも考えられそうです。

(2)については、ベトナムの少数民族の言語だったり、周辺諸国の言語を学び続けることで、取っ掛かりが掴めると思います。

日曜の夜に何やってんだ…という感じですが、バーッと書いてしまいました。笑

本件については、長い目で色々調査していきたいと思いますので、新しい発見があれば続報をお届けしたいと思います。笑

それでは!

お〇ん〇んの話~語源に関する考察~」への3件のフィードバック

  1. chimは女性器も表します。
    フランス語経由もかんがえられるかも。
    ま、トサカが女性器、クチバシが男性器というのはどこかを経由しなくても出てくる発想かと。

    いいね: 1人

    1. kkさん
      ありがとうございます!

      言われてみると、英語でも雄鶏にその意味があったな、と思って調べてみたところ、英語のcockについては次のような記載を見つけました。
      (Wikipedia内のページからです。https://en.m.wikipedia.org/wiki/Talk:Cock)

      If one does a google search, exactly like this; +kak +penis +”old high german” … they will find a page that isn’t cached, and cannot be accessed without being an authorized user [1] but that has a result description which starts as thus; For breeding purposes (sex) : (a) IE*kak- or *kok- ‘ male organ. I did this search because I have an etymology dictionary (Origins: A Short Etymological Dictionary of Modern English. Eric Partridge, 1958. ISBN-10: 0517414252 ISBN-13: 978-0517414255), which has a section giving a root word for another etymology (not for the mod. English “cock”) as “kak” (pronounced ‘cock’) meaning “penis” in Old High German (OHG). So infact, it may not be a euphemism/dysphemism but an actual term for the anatomy in a dead variant of a foreign language. From the link above, it seems it is a Indo-European word generally (i.e. ‘IE’). However, in the “Origins:” book referenced above, it is not under the etymology of penis or cock, but another word that I cannot for the life of me find anymore. Though it was ‘kak’ and it was noted as meaning ‘penis’ in an old Germanic dialect. Nagelfar 05:46, 23 February 2007 (UTC)

      外来語の音が既存のcockと結びついた事例との説明になっていますが、こちらも諸説あるのではないかと思います。

      ベトナム語の場合はフランスからの影響も可能性の1つですね!鳥と鶏と同様にして、ベトナム語でも名前が分かれていますし、そもそも『鳥』と聞いてイメージされる代表的な鳥というのは各民族で異なっていたのではないかなと推測します。形状が似ていることからの連想というのも、当時のその民族の人たちにとっての『鳥』次第かなと(それっぽいトサカやクチバシを有する種類なのかどうか)。

      中国語の鸟との結びつきは鳥の形状からの連想ではなさそうなこともあり、おそらく由来は民族・言語によってまちまちなのではないかなと思います。一方で、たしか中国語は鶏を使って同様の意味になることもあった気がするので、その場合は鸡とcockのつながりの有無も可能性として出てきそうですね。

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