よく使われる漢越語50②

こんにちは!Mayutaです(^^)/

実用ベトナム語技能検定試験の申込無事受理されていました!2か月ほど学習にいそしみたいと思います…!内輪で勉強会を実施しており、その一環でリスニングの模擬試験を作っていますが、参加メンバーの写真を用いて、かなり精巧な作りにしています。内容はかなりふざけていますが、聴き取り試験としてはそこそこ練習になるかな、と思っています。いつか問題集にするかも…笑

それでは、前回の続きで、本日も10個ご紹介できればと思います!

※日本語同様同じ読み方で違う漢字にあたっていることや、漢字に紐づかないケースもありますので、あくまで可能性の一つとしてとらえてみてください。

●常用漢越文字その220/50

(出典:Ngữ Văn 6 Tập 2 巻末資料_Nhà Xuất Bản Đại Học Sư Phạm TP Hồ Chí Minh)

11. Giả
12. Giản
13. Hãnh
14. Hoài
15. Khả
16. Khí
17. Kì
18. Kí
19. Kiến
20. Lạm

 本日1つ目は【者】の漢字に対応しているgiảです。心なしか「じゃ」という風に読めそうな文字列なのは偶然ではないのでしょう。知り合いにザライ省のことを「ジャライ」というベトナム人がいたので、d/gi-/rの音もスペリングが違う以上、やはり差が生じるものなのかと思います。

 日本語と同様「人」を指す言葉として紹介されており、例としては、dịch giả【訳者】「翻訳者、通訳」、diễn giả【演者】「講演者、講師、講演する」、độc giả【読者】「読者」、học giả【学者】「学者」、khán giả【看者】「観客、見学者」、sứ giả【使者】「使者、特使」、tác giả【作者】「作者、著者」、thính giả【聴者】「リスナー」など、漢字が思い浮かべば理解しやすいものが多そうです。

 また、giảは【仮】の漢字に対応する場合もあり、「仮の」という意味もある一方で、単独では「偽物の」という意味も持っていますので、こちらの意味も併せて押さえておくと良いと思います(^^)/

 続きまして、【簡】の漢字に対応しているgiảnです。この文字はsơ lược「大筋の、概略的な、粗い」, sơ sài「簡素な、生半可な」の意味を含む文字として認識されているようです。

 この要素を含む主だった単語では、giản dị【簡易】「質素な、簡単な、平易な」、giản đơn【簡単】「簡単な、単純な」、giản lược【簡略】「簡略な、簡潔に」あたりが、 日本語感覚でも理解しやすく、意味も近しいものと言えます。

 日本語で「簡素化」にあたる言葉は、このうちのgiản dịを使ってgiản dị hóa【簡易化】というようです。

 そのほか、giản tiện【簡便】「手軽で便利な」、giản yếu【簡要】「要約した」、 tinh giản【精簡】「人員削減してリストラする、余分な部分を減らす」などが挙げられています。

 続きまして、【倖】の漢字に対応しているhãnhです。ベトナム語の意味としては、tự hào【自豪】「誇りを持つ、自負する」、kiêu căng【驕矜】「自惚れた、おごった」といったイメージになっているそうです。

 代表的な単語として、hãnh diện【倖面】「自慢する、鼻にかける」、hãnh tiến【倖進】「(能力に見合わないものを)求める」、kiêu hãnh【驕倖】「誇り高い、自負のある、プライドが高い」といったものが挙げられています。

 ポジティブな使い方とネガティブな使い方、どちらも可能なように見えますね。自尊心があることは良い面もあれば、行き過ぎるとネガティブに捉えられることもありますからね。

 別声調のhạnh【幸】も併せて思い出しておきましょう(^^)/

 4つ目は【懐】の漢字に対応しているhoàiです。これはまさに「懐かしい」ですね。

 hoài niệm【懐念】「懐かしく思う」はベトナム語検定の語彙問題で見かけたことがあるような気がします。元のリストでは、hoài cổ【懐古】「昔のことを懐かしむ、懐古する」、hoài hương【懐郷】「故郷を懐かしむ、望郷の念に駆られる」、hoài vọng【懐望】「待望する、待ち望む」、cảm hoài【感懐】「深い愛着を持つ」などがありました。

 hoài vọngについてはこれからのことになりますので、「懐かしむ」から外れるようにみえますが、そもそも「懐」ですので、心に関連する語彙ということなのでしょうね。

 続きまして、【可】の漢字に対応しているkhảです。これはもうkhả năng【可能】「可能性、能力」一択かな、と思いましたが、他にもいろいろありますね。

 ベトナム語のイメージは2つで、đáng「~に値する」、có thể「できる」でした。

 khả ái【可愛】「可愛い」、khả nghi【可疑】「疑わしい」、khả ố【可悪】「嫌悪すべき、むかつく」などが前者でした。後者は、khả dĩ【可以】「可能である、一応、ひとまず」、khả thi【可施】「実施可能な」、lưỡng khả【両可】「優柔不断な、どっちつかずの」などがありました。両方可能で優柔不断は面白いですね笑

 6つ目は【気】の漢字に対応しているkhíの説明となっています。

 tinh thần【精神】「精神」とkhí thế【気勢】「心意気、覇気、士気」などの意味で使われるとされていますが、日本語と同様、không khí【空気】「空気」など、気体の意味でも使われますね。元のリストでは気合いだ!\(゜ロ\)(/ロ゜)/ の方が取り上げられています。

 代表的な例として、khí chất【気質】「気質、正確」、khí khái【気概】「気概のある、強気の、自尊心のある」、khí phách【気迫】「気迫、意気込み、心意気」、nhuệ khí【鋭気】「鋭気、激しい情熱」、sinh khí【生気】「生気、気合、気力、英気」などがあげられていますが、日本語とほぼ一緒ですね(^^♪

 7つ目は【奇】の漢字に対応しているkìです。この表記ですが、ベトナム語を学びたての頃に、『漢字表記できる語彙はkiなどのiで書き、そうでなければkyなどのyで書く』とどこかで説明を見た記憶があるのですが、雑誌等読んでいると、割と普通にkỳと書いてあることもあり、これは両方あり得ると考えておいた方が良いのかもしれません。ベトナム語検定試験ではそれを意識してかiの方で書いているような感じがしていますが。

 kìのイメージはlạ「信じがたい、不思議な、風変わりな」といった「奇想天外」に近いものと捉えて良さそうですね。

 実際に例を見てみても、kỉ ảo【奇幻】「幻想的な、奇妙な」、kì dị【奇異】「来な、怪奇な、一風変わった」、kỉ diệu【奇妙】「絶妙な、想像を超えた」、kì quan【奇観】「名所」、kì tài【奇才】「奇才」、kì tích【奇蹟】「とびぬけた成果、奇蹟」、kì vĩ【奇偉】「卓抜した、すばらしい」、hiếu kì【好奇】「好奇心旺盛な、物見高い」といった「不思議」にまつわるワードが並んでいます。

 ベトナムで本屋さんを見て回っているときに、子供向けの書籍で、Bảy Kỳ Quan Thế Giớiというのを見たことがありますが「世界七不思議」を指すようです。世界七不思議って実際なんだっけ?と、1つも挙げられなかったことを思い出しました。笑

 8つ目も7つ目同様に、表記が分かれると思いますが、別声調では【記】の漢字に対応しています。意味もnhớ「覚える」、ghi「記す」ということで、日本語とほぼ同じイメージで大丈夫そうですね(^^♪

 元のリストでは、du kí【游記】「旅行記」、hồi kí【回記】「回想記、回顧録」、nhật kí【日記】「日記、日誌」、kí sự【記事】「ドキュメント、記録分」などが挙げられており、どちらかというと「記す」寄りですね。

 「覚える」寄りの語彙としてはkí ức【記憶】「記憶、イメージ」、kí lực【記力】「記憶力」、kí tính【記性】「記憶力、記憶」などでしょうか。ただ、「記憶力」の意味では、trí nhớあたりを良く聴くような気がします。漢字語はやはり少し硬いんでしょうね。

 今回もだいぶ終わりが見えてきました…ということで(?)、9つ目は【見】の漢字に対応しているkiếnです。

 ベトナム語でのイメージもnhìn thấy「見て取れる」になっています。

 代表例としては、chứng kiến【証見】「目撃する、目にする」、diện kiến【面見】「面会する」、yết kiến【謁見】「謁見する」が挙げられていましたが、日本語感覚ではちょっと想像しにくいかもしれません。phát kiến【発見】「(科学などで)発見をする」あたりが一番イメージしやすいかなと思います。

 本日ラストは【濫】の漢字に対応しているlạmです。ベトナム語のイメージはvượt quá giới hạn quy định, cho phép「制限や許可の範囲を越えている」ということで、日本語で言えば「濫用」などの語彙と併せて覚えておくと思い出しやすいでしょう。

 代表例としては、lạm dụng【濫用】「濫用する、悪用する」、lạm phát【濫発】「インフレをもたらす」、lạm quyền【濫権】「権力を濫用する」、lạm sát【濫殺】「家畜をむやみにと殺する」、lạm thu【濫収】「(私物化目的で)過度に徴税する」などが挙げられていました。

 「インフレをもたらす」のlạm phátは『通常の範囲を越えて通貨を”発”行する』ということでしょうね。

 さて、如何だったでしょうか(^^)/ 残りも順次更新していきたいと思います。いくつか実際にテストで出てくれるといいのですが…!過去問に目を通しながら頻出の漢越要素も洗い出しておきたいと思います。

 それでは、またお会いしましょう(^^♪

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