おはようございます!Mayutaです。
先日知り合いから「中国語を覚えたいんだけど、何かいい方法ないかな?」という相談をもらい、以前から自分の中で考えていた『中国語をC-POPを聴きながら学ぶ』というアイディアを、少し客観的な情報を加えながら、実際に中国語を楽しく、効果的に学習する方法として形にして伝えたいな、と思い立ったので取り組みを開始してみました。
実際、僕自身も中国での生活の中で、C-POPは大量に聴いてましたし、歌詞を覚える中で「これは試験に役立つな」とか、「これって会話の中でこう使えるかも」と思うことが多かったので、直感的にはきっと役に立つ、という感覚はあるのですが、『本当に効果的と人に勧められるのか』という部分を、今回しっかりと考察したいな、と思います。
何の資格があるわけでもないですが、一学習者として、その他の外国語を学んでいる経験や個人的な思いを含めつつ、考察を進めたいと思います。
簡単に語学学習歴と、今回目指したい方向性だけ…
【学習歴】
・大学浪人してるときに英語が楽しいなと思って以来言語好き。大学入学語の第二外国語は。中国語と迷ったのですが、元々漢字が苦手で(スマホ時代到来前にして、既にまともに書けなかった)、また当時BRICsという言葉が流行っていて、卒業後はたぶん企業に就職はすると思っていたので、『中国語は会社に入って必要になったら…』とフランス語を選択。フランス語⇔英語の単語の互換性の高さに、『言語ってやっぱり面白いな』と語学マニアになり始める。
・就職後、2011年4月に研修の一環で北京へ。思ったより早く中国語が必要になる。文字通り死ぬほど勉強する時間をもらえたので、渡航2か月後のHSKで初・中等級6級を取得。この間も市販の試験教材の他、C-POPを5,6曲は覚えて学習にも役立ててました。
・2013年に帰国後は仕事上はほとんど中国語を使わなくなり、専ら中華料理屋の注文でメニューにないオーダーを交渉できる、といったシーンでのみ活躍できています。笑 5年経ちますが、没有进步没有退步といったところです。中国語は漢字なので、日本人にとって覚えやすく、かつ、結構忘れにくいのかもしれません(この点も考察テーマにしたいです)。
・2017年からアジアの言語にハマり出し、インドネシア語(2017年)⇒ベトナム語(2018年)と1年1言語計画で学習を進めていて、これらの言語でも音楽は積極的に取り入れています。また、裏テーマとして、『アジア言語に残る漢字の影響』と『日本語のルーツ』を常に意識していて、世にある学説・研究や体系的・演繹的な手法もたまには参考にしたいな、とは思いますが、基本的に『自分で見たものしか信用しない』性格なので、自分の学習過程での「発見」を大事にして、帰納的アプローチ(それしかできないだけですが)を中心に起きたいと考えています。
【今回目指したい方向性】
ポイント①発音
中国語は漢字なので、日本人にとってはきっと学びやすい言語だと思います。最難関はやはり「発音」で、中国人が最も気にする点も(きっと)「発音」です。実際、僕が北京について一番最初に中国語の先生に言われたことは「発音良ければ全てよし」でした。『これってほんとのことだな』と思うのは、読み方さえわかってしまえば、日本語の漢字の知識と人によっては中学・高校の漢文の知識を合わせて、非常にスピーディにそれらしくなってしまう点です。これは欧米人などの非漢字圏の人と比べると圧倒的なアドバンテージだと思います。
余談ですが、先ほどフランス語⇔英語の互換性について触れましたが、日本人にとっての日本語⇔中国語の関係は、多くの欧米人にとっての母国語⇔フランス語の関係に似ていると思います。英語の語彙力が多ければ多いほど、フランス語の単語のうち、『英語をフランス語っぽく読めばいい』という部分が増え、その分学習が楽になります。ただ、英語⇒フランス語の文法などはそうはいきません。もちろん、似ているものも多いですが、フランス語を学んで、『英語は本当にシンプルに進化した言語だなぁ』と思ったくらいですので…
中国語に話を戻します。「人は自分が発音できない音は聴き取れない」という話を聞いたことがありませんか?僕も経験上、かなり納得している点です。鶏と卵かもしれませんが、聴き取りそのものの訓練だけでなく、朗読やシャドーイングの訓練も、「話す」ということ以上に、実は聴き取り力向上に非常に役に立ちます。そういった意味で、「発音」の訓練は「自分の言いたいことを相手に理解してもらう」、というだけでなく、「相手の言っていることをしっかり理解する」という観点でも役に立つ要素といえると思います。
「発音」という観点で一番効果的な手法が、聴いて好し歌って好しの『C-POPで学ぶこと』だと思います❢
ポイント②資格試験で役に立つこと
試験は学習のペースメーカーとしては良くできた仕組みだと思っています。幸い、中国語は学習人口の多さから、「資格市場」が充実しています。これを活用しない手はないと思いますが、「試験って聞くだけでちょっと…」という人も多いと思います。ペースメーカーとはいえ、受けるなら絶対受かりたいところです。「試験に合格する」という観点では、過去問とその解説に勝るものは残念ながらないと思うので、ここを完全に避けては通れませんが、C-POPも情報インプットの方法として役に立つはずです。
資格試験の役に立てる、という観点で着目すべきは文法・語法と語彙の2つかと思います。
これも余談ですが、中学生の頃、英語の試験で並び替え問題が出たことがありました。stillという副詞をbe動詞/動詞/助動詞の場合で、それぞれでどっちに置くんだっけ…というのが分からなくなり、試験中に必死に考えた結果、『そういえば最近流行ってるあの曲の英語の曲にstillって入ってなかったっけ?』というのを思い出し、試験中にその曲を頭の中で再生して、乗り切ったことがあります。言葉で覚えるのなら「主語と縮約の起こるbe動詞/助動詞の場合はその後ろ、縮約の起こらない一般動詞の場合は動詞の前」といった感じですかね(英語の文法も最近は細かいこと忘れたなぁ…と思います)。
ということで、文法・語法の観点で目指したいのは、上記のようなケースを多くもたらしてくれる歌詞であること、です。
語彙の観点では、難し過ぎない単語で構成されていることに重点を置いていきたいと思います。固有名詞や古い言葉等は避けられないものもありますが、C-POPで頻出の単語は生活上よく使う言葉だったり、試験でもよく見かける言葉であるケースが多いと思います。
とはいえ、僕個人「試験問題〇年分を全部分析しました」ということまでまだ踏み込めていないため、並行して試験対策系の教材に目を通して(HSK・中検、等)各級にあった曲をお勧めしたいな、と思っています。
【総括】
上記を踏まえてどのような分析・考察をしておススメの曲を選んでいくかについて、少しふれておきたいと思います。
まず、発音と語の観点では、個別の試験の語彙統計を作ることはなかなか難しそうですので、次のような仮説に基づいて分析・考察します。
仮説:
①漢字1字の読み方(ピンイン・声調)をしっかり発音・記憶できさえすれば、日本人はかなり多くの単語の理解・聴き取りに対応できるはずである(例外はあるが)
②HSK『中国語基礎語彙と漢字等級大綱』にまとめられている、級別漢字2905語が覚えるべき優先度の高い漢字である
③優先度の高い漢字をより多く含む歌詞の曲は、勉強するうえで役立つ
④③に加えて、頻出の文法・語法を含む歌詞の曲は、勉強するうえで役立つ
分析・考察方法:
③と④をポイント化して評価することで、これを覚えると「〇〇対策に役立つ」という曲を発見していくことで、お勧めのC-POPリストとその解説を加える。
仮説②の『中国語基礎語彙と漢字等級大綱』から、次のような表を作ってみました。
あまり馴染みがないかもしれませんが、一般的に次のようなイメージであるようです。
甲級(800字) HSK1~4級程度で必要な漢字
乙級(804字) HSK5級程度で必要な漢字
丙級(601字) HSK6級程度で必要な漢字
丁級(700字) それ以上のレベルで必要な漢字
これらの漢字を組み合わせて、中国語基礎語彙として8822語の語彙が定められているそうですので、これらの漢字をしっかり読めるようにすることで、学習はかなりスムーズになると思います。
ポイント化の仕方は一定のルールを設ける予定ですが、上記の音節表の音の含有率で歌詞を評価することを一つの基準にしたいと思います。
本当はいくつか評価を終えてから順番に紹介するべきところですが、このブログでは分析して片っ端からupしていきたいと思います(最終的にランキング的にできるように…)。
ということで、次回の更新は感覚的に『この曲は絶対お勧めしたい』と思っている、『老鼠爱大米』の分析からスタートしたいと思います!
